第19章 19.変わらない-二宮side-
戸惑った。
じゃあ……日本を出るってこと?
は?なんだよ、それ……
「ちゃんっぽいね」
潤くんは何か納得してるし、
大野さんはおいしそうに紅茶飲んでて、
俺には苛立ちしかない。
なんだよ。この温度差……
「……意味わかんないんですけど」
その俺の発言に振り向く大野さん
"どうして?"なんて聞く
「俺は翔くんを選ぶなら選んで、
幸せになってほしかったんですよ。
それで、お姉さんが辛くないんなら…
それで……」
「カズ、時間は後1週間もあんだろ?
考えればいいじゃん。とことん……」
潤くんはなんか大人だ……やっぱ
俺なんかより何百倍
「んなの、考えねぇよ……帰る…」
「ん、帰れ帰れ。
湿気っ面でいられても迷惑だから」
そんな潤くんの言葉に子供ぽく、モップを投げて外に出ていった。