第19章 19.変わらない-二宮side-
「んで、その顔はなんだよ。カズ」
ホウキで掃除してる俺にそう言う潤くん
そんな顔って……あぁ、この暗い顔?
なんてピカピカのテーブルに映る自分を見る
「連れ去ればいいじゃん」
そんなこと一瞬だって思えないですよ
お姉さんのあんな複雑な顔見たら……
「……待つ…」
「待っても来ねぇよ?
んなの、あっちに取られるっつーの」
「なっ……はぁ……んなの分かってるわ!
わかってるけど…そんなの……」
そう言葉が詰まったとき、
開店前の店の扉が開いた。
「今、準備中ですけど……って大野さん?」
そう。そこにいたのは、
お姉さんの先輩であるふにゃっとおじさん
「ん。ごめんね…急に来て」