第4章 不器用でも(田中龍之介)
現在は6対6の試合形式での練習試合
こちらのチームは3年生が私を含め三人
あとは2年一人、1年二人だ
「皆集中!」
パンッと軽く手を叩き、膝を曲げ、レシーブの体制に入る副主将の早見友香里
友香里は反対側にいるのにも関わらずこちらにも威圧感が伝わってくる
あちらのチームは友香里を含め、3年が二人2年が三人1年が一人
「」
『何?久美』
三年リベロの小宮久美に声を掛けられ私は振り返る
「顔...怖いよ?」
『へ?』
久美に少し怪訝に顔を覗き込まれる
『......ごめん。集中してた』
「全く..は試合になるとすーぐ周りが見えなくなるんだから」
バシッ
久美に背中を強く叩かれる
『いった..何するの!』
「お兄さんが気になるの?」
前に回りこまれてにっこりと微笑まれる
『兄さん?..まあね』
ピー
試合開始の笛が鳴った