第1章 娼婦
オーナーだ。
「ももも、申し訳ありません!!スフィア王子!
じじ、実はその娼妓の処分に迷っていたところだったのです。しし、しかしながらそれを第一王子に拾われるなど。う、運がいいヤツですなあ、ア、あっはっは・・・」
無理に押し出したような空虚な笑い声が響き渡る。
チラリと彼を見やると、脂汗がびっしりと額に浮かんでいた。
どうしたんだろうか。
「処分される身になっていたなんて聞いていないのですが・・・」
つい声を漏らすと、彼は鬼のような形相で私を睨みつける。
ついで金髪の彼へと媚びるような笑みを浮かべ話した。
「いやあ、この女ならすきにしてください。我ながら先ほどはどうかしていました。
ご無礼をお許しください。
して皇太子様・・・。この店の処分についてなのですが・・・」
「ああ、そうだな・・・。
では。1000,000$で手を打とう」
「いっ・・・!?」
私もびっくりして、彼を見る。
そうすると、彼は私の頬を撫で、瞳を見つめる。
碧い瞳の中に、私がうつりこんだ。
「誰だって、自分の玩具を蔑にされたら気が立つだろう?」