ENDLESS L♥VE【DIABOLIK LOVERS】
第1章 ただの憧れ
彼はわたしを一瞥して、ヴァイオリンを片付け始めた。
もっと聞きたかったのに……。
そう思ったわたしは扉を開けようと、ドアノブに手をかけた。でも、開けられなかった。
勇気がなかった。
だから、わたしはこちらを見向きもしない彼に一礼だけして、その場を後にした。
これが彼との出会い。
ほんとに特別でもなんでもない。
でも、ひとつだけ自惚れさせて。
おそらく、この学校中で彼のヴァイオリンの演奏を聞いたのは、わたしだけ。
そう、思いたい。