ENDLESS L♥VE【DIABOLIK LOVERS】
第4章 突然の招待
『はあ………』
わたしはふかふかのベッドに腰掛け、ため息をつく。こんな大きな屋敷に住めることになって、しかも、好きな人がいる。本来、わたしにとってそれってすごくラッキーな状況だ。
でも、何か違う。
言い表せない感情が自分のうちから湧き上がってくる。恐怖、といえばそうなんだろうけど、もっともっと暗くて黒い、胸が苦しいもの。
あの人達は怖い。
アヤトはそこまで怖くない。でも、逆らわない方がいいに決まってる。何か、普通じゃないものを持っているから。
『帰りたい……』
「あっそ………じゃあ、帰れば?」
『え!?』
声のした方を見ると、部屋の窓の縁にシュウさんが腰掛けていた。
『な!?い、いつからそこに……!?』
シュウ「ぎゃあぎゃあ騒ぐな、鬱陶しい……。別に、ここは俺の屋敷だ。あんたがそう驚くこともないだろ……」
扉から入ってこれば絶対に気づくはず。ということは、どこからかつたって、彼は窓から入ってきたのだろうか。
『でも、気配すら感じなかった……』
シュウ「あんたが鈍いだけじゃないの……?」
この時、わたしは気づかなかった。
この部屋は二階。
そして、真下は地面でこの部屋はほかの部屋から離れた場所にある。
つまり、〈普通の人間なら〉窓からの侵入は不可能だ、と。