ENDLESS L♥VE【DIABOLIK LOVERS】
第1章 ただの憧れ
『うわ!なに、急に………』
風で髪がなびく。
急いで閉めようと窓に手を伸ばした瞬間、風が一気に弱まった。台風………まではいかないと思うけど、それくらいまでに強まっていた風がぴたり、と。
なんだか不気味に思った。
でも、そう思ったのは、ほんの一瞬だけ。
落ち着いた穏やかな風に乗って、綺麗で繊細なヴァイオリンの音が微かに聞こえた。
綺麗で繊細で、少しでもこれ以上の強い風が吹けばかき消されそうな音色。どこか、寂しげで冷たい。でも、聞いていると安心する。
そんな、とても魅力的なものだった。
風が吹いてくる方向にあるのは音楽室。先生と部活動している生徒くらいしかいないこの校内で、まだ音楽室に残り、ヴァイオリンを演奏している。
それは一体どんな人なんだろう?
なんて、わたしの興味本位だった。