ENDLESS L♥VE【DIABOLIK LOVERS】
第1章 ただの憧れ
わたしは音のする方へとひたすら廊下を進み続けた。その間も、その音は途切れることがなかった。
音楽室の前。
扉を開けようと思ったけど、なぜか開けることを躊躇した。もし、開けてしまったら、この曲は途切れてしまうのではないか、と。
幸いにも、この教室の扉には小さな窓があった。
だから、そこからわたしは中をこっそりと覗いた。
後ろ姿しか見えない。
でも、かなり背が高くてすらっとしている、ということは分かった。
そして、演奏していたのが男子生徒だということに驚いた。てっきり、可愛らしい女子生徒が演奏しているのだと思い込んでいたから。
しばらくの間、わたしはずっとその曲に聞き惚れていた。いや、曲ではなく、彼の演奏に。
なんて綺麗で完璧な曲………。
わたしはもっと聞きたい、という欲から扉に手を伸ばした。