第1章 はばたき市 〜辻〜
私の名前は小波美奈子です!
今日から住み込みで働くことになったお店があるんだけど……
『ど、どこ……??』
両手に地図を持って、辺りを見回している私は、明らかに迷子。
この歳で迷子なんて〜〜〜!
とりあえず、動いてみなきゃ始まらないし、こっちに行ってみよう!
『お店、見つかるといいーー』
ドンッ
「『わっ!』」
振り返ったとたん、人に当たってしまった!!
『ご、ごめんなさい!!!!』
おまけに荷物も落ちてしまって、本当に申し訳ない。
もう一度謝ろうと思って前を見ると、そこには美形の青年が立っていた。