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〜Petite Story〜

第24章 -おしごと-(黄瀬涼太)


「なんで言ってくんなかったんスか⁈」

「いや、言うほどでもないと思ってたし…」

日曜日…誰もいないはずのオフィスのフロアに立ちはだかるのは、わたしの後輩で…彼氏…の黄瀬涼太。

「いーや‼︎あるっス‼︎なんで一言言ってくれなかったんスか⁈」

さっきから涼太がご立腹の理由…
それは、涼太に言わずに休日出勤をしたから。

「涼太、今日、高校の先輩と会うって言ってなかった⁈」

今は涼太と同じプロジェクトチームで仕事をしているけど、今日は涼太も予定あるからいっか…と思ったからなんだけど…。

「先輩がインフルになったから、リスケっス‼︎」

「なんで休日出勤のコトわかったの?」

「昨日の帰りに課長に聞いたっス‼︎なんで言ってくれなかったんスか〜⁉︎」

「だから…」

山積みの仕事を片付けたいと思っているのに、子どものようにだだっ子みたいな涼太をつい可愛いと思ってしまう自分に呆れてしまう。

「日曜のオフィスに2人きり‼︎これぞオフィスラブじゃないっスか‼︎」

「は…?あの…涼太…?」

「きづなっ‼︎」

拗ねてだだっ子だったはずの涼太が突然子犬(大型犬)のようにわたしに抱きついてくる。

「ちょっ…涼太ってば…‼︎」

「あ〜久々のきづなの匂い〜。最近、仕事一緒なのは嬉しいけど、忙しくてスキンシップ足りなかったんスもん‼︎」

涼太はますますギューっと抱きついて甘えてくる。

う…っ。か…可愛い…可愛いけど…でも…

「だからって、会社だから‼︎休みだけど、誰が来るかわかんないから‼︎も〜‼︎離れなさい〜!」

わたしは気持ちを押さえて、涼太をぐっと突き放す。

「えー?きづな、ひどいっス〜‼︎」

「会社では”宮岡さん”でしょ?誰もいないけど、油断しないで。」

「…はーい。」

シュンとしてる涼太を見るのは辛いけど、仕事モードで気持ちを押さえる。

「で?”黄瀬くん”は何しに来たの?」

「て…手伝いっス‼︎」

「じゃ、お願いしよっかな。」

それからは真面目に2人で仕事をした。2人でやったから、やっぱり予定より早く終わったし、家に帰ったら涼太に優しくしてあげようかな。

「ねぇ、宮岡先輩?」

「え?」

急に呼び方を変え、わたしの手を取る涼太…

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