第18章 -おねだり-(青峰大輝)
((大ちゃんM?ver.))
「ねぇねぇ、大ちゃん♡」
「あん?」
きづなの部屋で遅めのランチタイム。
テイクアウトしてきた照り焼きバーガーを頬張っていたら、きづながご機嫌でオレを呼ぶ。
…イヤな予感しかしねぇ。
「あのね、あのね♪」
「…しねぇぞ!」
「まだ何も言ってなーい‼︎」
「おまえが”大ちゃん”て言う時は、ぜってぇロクでもないコト言うに決まってんだよっ‼︎」
だから、きづながなんか言う前に拒否しとくのは、基本中の基本。
「ひどーい‼︎今日のはロクでもなくないもん‼︎」
でも、きづなはオレの隣に来て、腕にギュッとしてオレを見上げてくる。上目遣いが可愛いし、腕に当たる胸の感触もやべぇ。
「…っ⁈…なんだよ?」
拒否したのに、結局オレは聞き返してしまった。
「あのね、目隠ししたら、感度って良くなるのかな?」
「はっ⁈」
コーラを飲んでたら、間違いなく吹き出していた。
きづなはたまに突拍子もないコトを言う。
「あとねあとね…」
きづなはオレの耳元で囁いた。
「手…縛ったり…とか?」
「…っ⁈⁈…どっちの?」
オレは冷静ぶってそれだけ言うのがやっとだった。
「えっと…わたし…の?」
オレが冷静に答えて、さすがに恥ずかしくなったのか、少し頬を赤くしてきづなが小さな声で言った。
つぅか、オレはもちろんそんなコトされたくねぇし、きづなにそんなコトする趣味もねぇ。
んなコト誰にも言ったコトねぇけど、普段気持ちをことばにするとかこっぱずかしいし、せめてきづなとひとつになる時だけは、気持ちを込めたい…。
「別に今も十分いいだろが。ムリすんな。」
きづなの頭をポンとして、オレは自分を落ち着かせるためにコーラを飲み干した。
きづなの甘い声で囁かれたまさかのことば…さっきから触れているきづなの柔らかい身体…オレを惑わす要素があまりにも多すぎる。
「ムリ…してないよ?いいよ?大輝…」
…チュ。
「…っ⁈きづな⁈おい…」
きづなからの甘く妖艶なキスが止まらない。
その快楽に抗う手立てはなく、オレも応戦するかのようにきづなのキスにこたえた。
---End---