第13章 -誰に頼む⁇-(青城3年)

((及川徹))



「きづなちゃん、かわいーい‼︎水着すんごい似合ってるー♪」

「あ…ありがと。」

さすがに及川くんに日焼け止めは頼めない…。
女子が戻るまで待つかぁ。

そう思ってパーカーを着ると及川くんが慌てたように話し掛けてくる。

「なんでパーカー着ちゃうの⁈」

「え⁈背中…まだ日焼け止め塗ってないんだもん。」

「日焼け止めー？そんなの、及川さんが塗ってあげるよ♡」

「え⁈や…やだ‼︎」

「ひどっ‼︎そんな即答しなくてもー‼︎」

即答するよっ‼︎お…及川くんに…好きな人に塗ってもらうなんて…は…恥ずかしすぎるっ‼︎

「あ！それともほんとは及川さんに塗ってもらうのが恥ずかしいだけだったりしてー？きづなちゃん、かっわいーい♡」

「ち…ちがっ‼︎そんなわけないでしょ‼︎もう‼︎じゃあ、お願いっ‼︎」

図星をつかれ、恥ずかしいのをごまかしたくて、思わずお願いしてしまった。

「はいはーい♡任せて任せて♪」

どこまでも軽い及川くんに日焼け止めクリームを渡し、わたしは及川くんに背を向けて、スルリとパーカーを脱いだ。

「(ドキッ…)んじゃ、塗るねー。」

「お…お願いします。」

「きづなちゃんて肌白いよねー。華奢だし。女のコって感じ♪」

及川くんはいつもの調子で話しながら、優しくゆっくり日焼け止めを塗ってくれる。

「そ…そんなことないって…」

及川くんの手の温もりを感じながらそんなことを言われたら、冷静でいられない。

「でも、華奢だけど、きづなちゃん、胸はけっこうあるよねー♡」

及川くんは突然後ろからわたしの胸元を覗き込んできた。

「えっ⁈ちょっ‼︎やだ‼︎見ないで‼︎」

わたしは慌てて離れようとしたけど、及川くんはわたしの腰あたりをギュッと抱き締めてきた。








「やだ…もっと見たいしはなしたくない…。きづなちゃん…オレ…きづなちゃんのことが…好き。」




---End---
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