第41章 -ライバル-(黒尾鉄朗)
「なに?…ちょっ…⁈」
オレはきづなからクロくんを奪い、さっきまでクロくんがいたポジションにオレが収まる。
「数学のプリント見たかったら、抱き締めるのはクロくんじゃないだろ?」
流れのまま、きづなの唇を奪うときづなは急に大人しくなる。
「て…鉄朗っ…」
「上手にお願いできたら、見せてやろっかな♡」
きづなの胸に顔を埋めたまま、背中に腕を回し、ギュッと抱き締め、きづなをホールドする。
「ぁっ…もうっ‼︎宿題見せてもらいに来たのにー‼︎」
照れ隠しで拗ねてるきづなが可愛すぎる。
そんな反応されちゃ、こっちだって止まるわけがない。
「だってー。見せてやってもいーかなーって思ってたけど、きづなが悪いんだかんなー?」
「悪いって…?」
「きづながそいつばっか構うから悪いーー。」
オレがさっき投げ捨てたクロくんにチラリと視線を向けると、きづなもオレの視線を辿る。
「え…?」
「せっかくだから、見せつけっか♡」
「ちょっ…鉄朗っ‼︎」
オレはもう一度きづなの甘い唇を奪い、きづなのシャツを捲り上げ…途中で手を止める。
「……やっぱ見せつけんのナシ…」
オレはきづなの胸に手を伸ばす前に、クロくんに手を伸ばし、クロくんをひっくり返す。
これであのふふん顔も見えない。
「よしっ!準備OKだなっ♡」
「鉄朗っ‼︎わたし、宿題しに…」
「オレのお勉強が先ーー♪」
・・・
結局、きづなに数学のプリントは見せてやったが、きづながプリントを写せたのは、次の日の一限目の数学の授業の直前で、その日の夜、きづなはまたクロくんに愚痴りに来た。
オレとクロくんのライバル関係は続く…
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