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Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第39章 Daylight


「ただいま、智君…」

「おかえり、翔…」


瞬間、一度は止まりかけていた時間が、静かに動き始めた。




俺、二度とお前の傍離れねぇから、覚悟しとけよ?

うん、俺も二度と君の傍を離れるつもりないから…



言葉なんていらない。


目と目を合わせるだけで…

手と手を重ね合わせるだけで、お互いの感情が流れ込んでくる。



この時を…
この瞬間を、どれだけ待ち侘びたか…



ずっとこうしたかった…

一人冷たい部屋で膝を抱えている間も、ずっとこの温もりを求めていた。



愛してる…

俺も愛してる…



これまでも、これからもずっとずっとただ一人だけを…




ひび割れた時計が二度と元の姿に戻ることはないように、俺達の過去が消えることはないだろう。


俺達が受けた心の傷だって、永遠に癒えることもきっと…



過ぎた時は戻って来はしないんだから…




でも…



だったら…


「この先もずっと一緒にいよう…


何があっても二人で乗り越えて行こう…」



離れて過ごした時間を少しでも埋めるように…

傷ついた心が少しでも癒えるように…




俺達ならきっと出来る筈だから…



真っ白な時計を、俺達の色に染めて行けばいい。



焦る必要はない。


俺達なりの速度で進めて行けばいい。



いつか時が俺達を分かつまで…




その時までは一緒に…




「愛してる…」



そんな言葉を囁き合いながら…






『Daylight』〜完〜
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