第33章 Scheme
「抱いてくれ…」
折れるくらい…
この身体ごぶっ壊れてもいいから…
「抱いて…」
翔のネクタイを性急に解き、ボタンを全て外すと、俺は露になった胸に唇を這わせた。
「智…くん…? どうさたの、急に…」
「どうもしねぇよ…」
ただ翔に触れていないと…繋がっていないと、胸が苦しくて押しつぶされそうなんだ…
「翔…、しょ…ぉ…」
「分かった…分かったから落ち着いて…?」
ベルトを引き抜き、前を開きかけた俺の手を翔の手が止めた。
「欲しいんだ…欲しくて欲しくて…」
ずっと俺の傍にいるって…
絶対に離れないって…
証が欲しい。
「泣かないで…? そんなに泣いたらまた苦しくなっちゃうよ?」
「いいから…抱けよ!」
「智君…」
翔の両腕が俺を強く抱きしめる。
そして乱暴に俺のジャージを剥ぎ取ると、胸の先を吸い、中心を握り込んだ。
「ああっ…、しょ…ぉ…っ…」
仰け反る首元を指が這う。
そして俺の足の間に割って入ると、両足を高く持ち上げ、何の準備も出来ていない蕾に、熱く猛った塊を突き挿した。
「ひっ…」
強烈な圧迫感と痛みに身体が軋んだ。
それでも良かった。
翔と深く繋がってさえいられれば、例え快感すら得られない乱暴なセックスだって、俺は良かったんだ…
なのに…
俺が意識を飛ばす間際、翔が呟いた言葉…
「俺のことはもう忘れて…」
そのたった一言が深く胸に突き刺さった。