• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第31章 Friction


自宅に戻った俺は、すぐ様PCを立ち上げ、血液鑑定は元より、遺伝子学的な検査にも長けた業者を手当たり次第に検索した。

とは言え、その方面に関しては素人同然だから、何が良くて何が悪いのかも分からず…

結局幾つかの業者をピックアップするに留まった。

俺はピックアップさた業者の連絡先をスマホに打ち込むと、それを岡田にメールで送った。

明日会ってからでも済むこと…
そうは思っていても、逸る気持ちは抑えきれない。

後は岡田の判断に委ねようと…

岡田なら、俺よりもきっと的確な判断を下す筈だから…



数日後…

俺の手元に検査キットを含む封書が届けられた。

中には、綿棒の様な物が二本と、それを保存するためのプラスチック容器が二つ入っていた。

説明書には、この二つのキットで採取した検体が、どちらの数値も合致することが、この検査の課題と言えるようで…

もしも合致しない場合は、再検査が必要になる。

それでも合致しなければ…

その時は、この検査をしたこと自体、何の意味も無くなってしまう。

それでも今は…

たった一つの可能性にだって賭けたい。

俺は届いたキットを手に、岡田と共に再び智君の元を尋ねた。

智君は一瞬戸惑った様子を見せたが、それでも俺達の要請に応じてくれた。

「後は結果を待つだけだな」

「一週間くらいで出るそうだから…」

俺達は祈るような気持ちで、検体を同封した封書をポストに投函した。



『Friction』〜完〜
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp