• テキストサイズ

Cage -檻ー【気象系サスペンスBL】

第4章 Confusion


口から紫煙を吐き出しながら、岡田がフッと笑った。

「確かにな? お前の言う通りかもしれないな」

短くなった煙草を灰皿に揉み消し、岡田がテーブルに身を乗り出した。

「櫻井、お前は大野のこと何にも分かっちゃいねぇようだな」

テーブルに肘をつき、組んだ手の上に顎を乗せた。

岡田の冷ややかな視線が俺に刺さる。

「アイツの目に”嘘”はなかったぜ? 少なくとも俺にはそう見えたがな?」

俺だって…

俺だってそう信じたいし、そう信じてる。

でも…

「まぁな、お前の気持ちも分からんでもないが、今は信じてやることだ」

愛してるんだろ?

そう問われて、岡田の目を真っすぐに見据え、俺は迷うことなく頷いて見せた。

そうだ、俺が信じてやらなかったら誰が智君を?

俺しかいないじゃないか!

「なら大丈夫、安心した。俺も全力で協力する」

テーブルの向こうから、岡田の手が俺に向かって伸びてきた。

俺はその手をギュッと握った。

俺が智君を守ってみせる…

この命に代えても…絶対に…



そう誓った筈なのに…

守るって決めた筈なのに…

残酷とも言える無慈悲な言葉に、俺の心は脆くも打ち砕かれた。


ごめん智君…

君を守れなかった俺を許して…


「Confusion」完
/ 609ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp