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余命一年の迷愛(リボーン)

第3章 自分らしく


身体全体が痺れる。

自由に動けない。

何……?

金縛り……?

「雫…、今は副作用で痺れているだけです」

「安心しなさい…」

落ち着く優しい声。

あぁ…

そっか…

私…、この人に着いて来たんだ……





『大分痺れは退いてきましたか?』

『あ…、僕の名は【六道 骸】です』

優しく微笑んで話し掛けてくる骸さんの顔が脳内に浮かび上がる。

これも幻覚…と言うものなのだろうか…

『骸さん…、私……私はどうなるのですか…?』

自分自身が一番解っている事を問い掛ける。

解ってる…

解ってるけどー……

嘘でも良いから言って欲しいの…

大丈夫だと…

少しの間、私と骸さんに沈黙が流れる。

『……御免なさい…、解ってー……』

私の言葉を遮るかの様に優しく抱き締めてきた。

『大丈夫ですよ、僕が何とかします』

『だから安心して下さい』

…何で……

何でこの人は……

こんなにも…

『狡い……、狡いですよ…』

『おやおや…』

『泣き虫ですね、雫は』

言って欲しい言葉を言ってくれるの…

本当に狡いよ……

『フッ…そろそろですよ』

『ほら…、泣き止みなさい』

大きな手で私の涙を脱ぐいとる。

その姿があの人と重なって……

凄く…落ち着くー……

『はい…、は……』

言葉が途切れ、現実世界へと呼び戻された。
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