第3章 自分らしく
「前々から、何度か御聞きしていますの」
「ツナ…【沢田 綱吉】さんの御名前を」
「誤解を招く様な言い方をしてしまいましたね、申し訳有りません」
「それに…リボーンさん、やはりボンゴレの家庭教師に成って居られましたのね…噂で聞きましたわ」
すると、10代目さんが今度は真っ白に顔を染めていく。
え…っと……?
大丈夫……なのでしょうか…?
不安に成りつつも10代目さんから目を離し、リボーンさんに喋りかける。
「何故に10代目さんがあんな事に成って居られるのですか…?」
「ツナはお前を普通の人間と思っていたからだと思うゾ」
「…あぁ…、それで…ですか」
普通の人間…
当たり前ですよね…
身近に化け物が居るなんて……
考えもしませんものね…
少し落ちついたのか、ゆっくりと口を開く。
「雫…さん…」
「貴女は…マフィア…なんですか……?」
「……マフィア…の分類には属していると思います」
「しかし…私はー……」
言葉が詰まる。
こんな事を言って良いのだろうか。
正真正銘のマフィアの方々なのに。
でも……
でも……、私は呟いた。
「マフィアなんて嫌いです」
「……ククク」
リボーンさんが喉を鳴らす音が聞こえる。
……え、…え…?
今の御話しに笑う要素等…有りましたか…?
不審に思っていると、10代目と私を見比べて発した。