第3章 自分らしく
ガチャ…ッ
ドアノブをひねり、夕食の匂いが広がる。
家…
何処の家もこんな感じなのかな…
やっぱり…私とは大分違うわね…
「御邪魔致します…」
「うん、上がって下さいね!」
階段を上り、この少年の自室なのだろうか。
一つの部屋に入った。
其処には小さな子供が座っている。
……子供…?
明らかに普通とは違う…
子供では無い雰囲気……
数々の人間を殺してきたとでも言う様な……
恐ろしい感じ…
「御菓子とか持ってきますから座ってて下さい~!」
少年に声を掛けようとする前に扉がパタン…と音を立てて閉まった。
御菓子等…別に気を使って貰わなくても結構ですのに……
「ちゃおっス!」
「…らしく無いですね、…男性でしょう……?」
「……あぁ、お前…普通の人間じゃないな」
しばしの沈黙。
溜め息混じりで呟いたのは私だった。
「そんなに直球で聞きます…?」
「人の事を言えるのか?」
「まぁ、そうですがね…」
苦笑しつつもゆっくりと床に座る。
「特殊能力者…【佐久間 雫】と申せば御解りになると思います…ヒットマンさん?」
妖しく微笑むと、ヒットマンさんも妖しく微笑み返してくる。
「雫…か、知ってるぞ」
「俺はヒットマンの【リボーン】だ」