第10章 夏と、ラムネと、やっぱりわんこ。 R18
本日、蝉の鳴き声響く8月。
そんな中私は…
『ただいまっ!』
駅から全力疾走。
やっとの事で家にたどり着くと、中からはひんやりとした空気に包まれ、火照った身体が徐々に冷やされていく。
「お帰りなさい美優さん。今麦茶入れますね?」
リビングの入り口からひょっこり顔を出したのはリエーフ。
サンダルを脱いでリビングに向かえば、リエーフ以外にも何人もの影。
メンバーは現音駒バレー部員1年から3年がリエーフを含めて6人、バレー部OBが2人。
私を含めて9人もの人がうちに集まっていた。
ーーーーーー
バレー部のみんなでお祭りに行くことになった、とリエーフから聞いたのはリエーフが夏休みに入った時のこと。
「でも、美優さんとも一緒に行きたいんですよね…」
「でも、てつろーさんとも一緒に行きたいんですよね。」
べちょり、とソファに寝転んでため息をつくのはリエーフ。
からからから、とストローでグラスの中の氷をかき混ぜながらため息をつくのは莉奈ちゃん。
『…お昼過ぎ……くらいからなら時間取れるけど…
でも現役高校生達に私1人混ざるのはね…』
じゃあ、私以外のOB巻き込めば良いのか。
そう考えた私は、すかさず男子バレー部の同級生3人にメッセージを送る。
速攻帰ってきたのはやっくんでOKの返事。
海くんは予定があるようでだめ、とのことらしい。
なかなか返信のないクロ。
…と思ったらメッセージを送った3時間後の午後7時に私の家に莉奈ちゃんを迎えに来た。
もともと莉奈ちゃんと花火を見るつもりでいたらしくOKサイン。
あれよあれよと計画が決まり今日になった、と言うわけ。