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ねこわん‼︎【HQ】

第30章 夏、避暑にて。



レンタカーを借り荷物を乗せると、私たちはゆっくりと出発した。
土地勘のあるうちにスーパーに寄ると、おやつと飲み物を買い保冷バッグに詰める。すぐに飲むものはボトルホルダーへとセット。おやつは私が取り出しやすい場所に置く。
運転を始めようとするリエーフの名前を呼びこちらに向かせると早速袋を開けたグミを口の中に放り投げてあげる。

「ん、少し眠気取れた。」
『ならよかった。さて、リエーフさん、今回も安全運転でよろしくお願いします。』
「当たり前じゃないっすか。でも、頑張れるように。」

ん、と突き出された唇。
可愛らしいおねだりに唇を重ねると2人で微笑み合う。ほんのり色づいた自身の唇をぺろりと舐めとったリエーフは細めた瞳を前に向けるとしっかりハンドルを握った。


お盆を過ぎたからだろうか。
はたまた金曜日だからか。
渋滞に巻き込まれることもなくスムーズに進む車。
私の端末から適当な夏ソングのプレイリストを流せば、知っている曲、知らない曲が、開いた窓から入る生ぬるい風と共に頬を撫でていく。適当に口ずさめば、リエーフも知っている曲を歌い出し、車内はご機嫌。
合間におやつを口の前に差し出せば、ぱくりと頬張りご満悦。
各自水分を摂りながら順調に進んでいけば、思ったよりも早めに県を越えそうな予感。余裕を持って出たけれど、チェックインより1時間半は余りそう。小腹の空いたリエーフの提案で、カフェ探しをすれば、高速を降りて少し海側に進んだところにパンケーキ屋さんがあるようで、まずはそこを目指すことになった。



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