第5章 俺だけみてて。 R18
1週間後。
今日は待ちに待った金曜日。
今日はリエーフ、部活休みだって言ってたから急いで帰らなくちゃな…なんて玄関に歩いていると、玄関の方から女子の黄色い声。
芸能人でも来たのか?
そう考えていれば聞き覚えのある声が黄色い声の中心から聞こえてきた。
そちらを振り向けば……?
『な、なんでここにいるの?リエーフ⁈』
ここにいるはずないのにっ⁈
「美優さんのお迎えですよ?玄関にいたら絶対会えるし。」
そう言い近づいてくるリエーフ。
あまりのことに固まっているとトントンと肩を叩かれる。
後ろを振り向けばクラスの人達で…
「椎名さんそれ誰?」
「高校生?」
「ハーフ?」
「椎名さんの知り合い?」
一斉に聞いてくるから訳が分からなくなっていると、後ろから腕が伸びてきてぐいと引き寄せられた。
「初めましてー!見た目はハーフ、中身は日本人、灰羽リエーフです!
高校3年で…」
声が途切れ、不思議になった私は後ろを振り向くとリエーフの顔が近づき、触れる唇。
「弟兼彼氏です。よろしくお願いしまーす!」
ものすごい騒ぎになってしまったため、私はリエーフとダッシュで学校から飛び出した。
『リエーフの…ばかっ……明日っいろいろ聞かれちゃうじゃない!』
「じゃあ今度こそ”彼氏”って紹介しておいてくださいね?」
にこり、笑うリエーフは出会った時と同じような可愛い笑顔を私に向けていた。
この笑顔…弱いんだよなぁ…
私はため息をつくと、リエーフの腕に自分の腕を絡めるようにして笑った。
end