第27章 灰羽リエーフの1日 2019
21:12
「もう知らないっ!リエーフの馬鹿っ!」
泣きながら叫んだ21時。
言えない秘密と相手の怒鳴り声に
苦しくなって私は部屋を出た。
「美優さんっ!話はまだっ!」
リエーフの声を背中に聞きながら部屋へと戻ると、ある程度の荷物を大きめの鞄に詰め込み部屋を出る。
待ち構えていたリエーフを無視し玄関に向かえば、少し焦った声とともに後を追ってくる。
「美優さん。」
呼ばれた名前を無視しお気に入りのブーツに足を通すと相手の方に振り返り言葉を発する。
「頭冷やしてくる。私からは連絡とらないから。」
不安げな顔と私の名前を呼ぶ声を背にし
私はそれらをシャットダウンした。