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ねこわん‼︎【HQ】

第23章 クリスマス、しよ? R18





洗濯機が鳴く音が遠くから聞こえ、ふと目が覚めた。

お腹すいた。

むくりと起き上がり時計を見ればまだまだ深夜。
結局食べ損ねた夕飯を早くありつきたいとお腹がくるりと鳴く。

いつも通り裸のまま布団の中にいる私。
付けられた暖房の風が暖かい。
脱ぎ散らかした服はなく、代わりにルームウェアと下着がベッドサイドに置かれている。
それらを置いた張本人…リエーフは部屋にはいない。
多分、家の中に美味しい香りがするからキッチンにでもいるのだろう。
流石にリエーフばかりに家事をさせるのは気が引けるから着替えてキッチンへ行こう。

ベッドサイドの着替えに手を伸ばし、止まる。

ふと感じた違和感。
私の網膜から脳に情報を伝達し、涙腺に刺激を与える。
ほろりと落ちた涙はどんどん増え、いつのまにか涙が止まらなくなった。

違和感の正体は薬指。

誕生日の日、泣きながら準備ができていないことを教えてくれた約束の指輪。
私の指にはまるの指輪がきらりと光っている。

嬉しくて、嬉しくてたまらない。
リエーフの側にずっといていいんだ。

ぽろぽろと流れる涙をそのままに急いで着替えをすると、私は急いで部屋を出る。
探せば、リエーフは洗濯機の前。

「リエーフ!」

見える背中に抱きつき言葉を発するつもりが言葉が出ない。
突然泣きながら抱きつかれたリエーフは何が起こったのかと慌てている。

「えっ⁈美優さん⁈どうしたんですか⁈」

「…っ…ゆび…ゆびっ……」

「指痛いんすか⁈」

これでは埒があかないと一度離れ光る指を見せれば、リエーフは納得しふわりと笑う。

「気づきましたか?」

「わたっ…わたしっ……」

「俺の誕生日の時と逆ですね。」

優しく微笑むリエーフに気持ちが安心したのか涙が止まらない。
嗚咽を零しながら泣く私の背中をさすりながらリエーフが私に呟く。

「美優さん、出会ってから沢山美優さんと過ごしました。
美優さんに振られたら俺、誰にも貰ってもらえないです。
だからね、美優さん。

俺からのプレゼント、受け取ってもらえませんか?」

言葉が出ない。
嬉しすぎて苦しい。
言葉が出ないことがもどかしい。

「美優さん。
ずっと、一緒にいてください。」

出ない言葉の代わりに首を縦に降ると、すぐに視界が暗くなる。
目を瞑れば、私の大好きなリエーフの香りがした。



end

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