第23章 クリスマス、しよ? R18
浮かれた音楽が鳴り響く街中。
仕事を早めに終えた私は四角い箱を2つ持ちながら家路を急いだ。
今日はクリスマス。
今年はふたりとも仕事だから家でお祝いしようねとリエーフと約束した。
…んだけど、本日24日夜は飲食店は超多忙。
ランチもディナーも予約で満席。
本来なら厨房の私も、接客するほど忙しかった。
休憩も賄いをかきこむ時間しかないほど…
それだけクリスマスの飲食店は超多忙なのです。
本日は朝7時から仕込みに入り、休憩を2回挟んで6時で終わりのはずが、結局終わったのは8時。
へろへろになりながら厨房を後にする私の背中に店長からの嬉しい言葉が。
「さっきキャンセルあった料理、容器に移してるから持って帰って?あと、注文分のケーキ、焼けてるよ。」
「てんちょう…ありがとうございますぅ…」
「椎名さんはイベントごとの時は率先して頑張ってくれるからサービス。
明日はお休みだよね?」
「そうです。1日遅いクリスマス休暇いただきます。」
「はいはい。"銀の君"となかよくね。」
銀の君…
リエーフの誕生日に食事に来た際に店長がリエーフにつけたあだ名だ。
名前より覚えやすいと好評で、今や職場で彼氏の話題になるといつもこう呼ばれてしまう。
お礼と挨拶をし、着替えをすませると思い休憩室にある私の名前が入った持ち帰りの箱を2つ持つと、私は職場を後にした。