第22章 椎名美優の数日後 in2018
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31日、朝起きるとリエーフはいなかった。
リエーフの職場はハロウィンの仮装の影響で予約がいっぱいだから営業時間を1時間早めるらしい。
その分リエーフの出勤時間も早まるそうで…
いつもより遅く起きたおかげで家の中は静か。
時計を見れば朝の8時。
外気温はギリギリ2桁。
前夜、勢いのまま脱ぎ捨てたニットやストッキング、ブラがベッドの周りに散らばっている。
寒くて布団から出たくない。
そう思ったけれど、あれ、なぜか暖かい。
ほかほかする方…自分の左側に視線を送れば暖房器具がオレンジ色の光と熱を放っていた。
そしてベッドのサイドボードには、ひざ下まであるリエーフのカーディガンと私の部屋着、そして新しい下着。
上にはメモが残してあり、リエーフの手書きでメッセージが書かれていた。
"風呂 お湯はってます
朝メシ かんたんに作ってます
今日は早めに帰ります
メッセージ入れますね
体無理しないでください
いってきます leb''
私より睡眠時間少ないはずなのに。
いつもより時間ないはずなのに。
いつでも私を気にかけてくれる。
すき。
ううん。
愛してる。
きっともう、リエーフなしではいられない。
カーディガンを羽織り、散らばった服を拾う。
ドアを開ければ、玄関にも荷物。
カバンを開けると、小さな手のひらに収まる小さな小箱を取り出した。