第21章 灰羽リエーフの1日 2018
「美優さん起きた?」
『ん、起きた…』
はい、とさっき入れたコーヒーを手渡すと、ソファにブランケットにくるまりながら座る美優さんに話しかける。
「美優さん、冷蔵庫空っぽだからさ、買い出し行けそう?」
『そうだった…先にお風呂…』
「熱めのお湯バスタブに張ってます。入浴剤入ってますよ。」
『ん、ありがと。』
横から声をかけている俺に向かって伸びる腕。
ここ最近、美優さんがえっちで力を注い果たした時にする甘え方。
前は足がおぼつかないのに自分で歩いて行こうとしてた。
その度に俺が強制的に抱っこをして風呂に連れて行ってたんだけど、流石に学習したみたいだ。
伸ばされた腕の間に首を通し足の関節と背中に手を回すと、力を入れて持ち上げる。
バレーをしていた時に比べたら体力は落ちたけれどまだまだ美優さんを持ち上げるくらいはできる。
っていうか美優さん軽すぎる。
もっと肉付きよくしなきゃおっぱいちっちゃくなっちゃう。
『リエーフ、変なこと考えてたでしょ。』
美優さんを抱っこしながらペタペタと廊下を進んでいれば美優さんのツッコミ。
「変なことなんて考えていませーん!」
『へー?口元がにやにやしてたからえっちなこと考えてるのかと思った。』
あ、ばれてる。
『図星でしょ。』
リエーフの癖とか仕草で嘘かどうかわかるようになってきたんだから、と美優さんは俺の頬を突く。
「えっちなことですが、想像は美優さんのことです。」
さっきの美優さん可愛かったなーなんて呟けば、美優さんは顔をさらに真っ赤にさせた。
「着きましたよ。」
そっと下ろせば、はらり、と落ちるバスタオル。
小さく叫んで美優さんは体を隠そうとしゃがみこむ。
『ありがと、リエーフ。』
「早くしないと風呂場で犯しますよ。」
はぁーい、と美優さんは浴室へと消えていく。
さて、俺も早めに準備しないとな。