第1章 ささのはさらさら。
「さーさーのーはーさーらさらー!」
いつも通りテンションの高いリエーフ。
七夕だからって歌なんて歌ってる。
『もうすぐできるよー?』
「はーい!」
リビングにいたリエーフはパタパタとスリッパを鳴らしながらキッチンに入ってくる。
「やった!冷やし中華!」
腹減ったんっすよねーなんて言いながら2人分の冷やし中華を持つとリビングに向かって歩いて行った。
火にかけていたわかめスープを器に盛っているとリエーフが戻ってくる。
冷蔵庫から冷たい茶碗蒸しを取り出し、リエーフに渡す。
あとは、春巻きと唐揚げを持つとリビングまで移動。
途中でリエーフにお皿をわたし、キッチンに戻りスープとお箸を持ちリビングまで歩いた。
『お待たせー!』
リエーフは食事を見ながらうずうずしている。
食べたくて食べたくて仕方がない顔だ。
『いただきます。』
「いっただきまーす!」
勢いよく返事をするとリエーフは早速唐揚げを口に放り込む。
リエーフの美味しいって顔、やっぱり可愛い!
「そういえば去年の七夕覚えてます?」
去年の七夕?
『バレー部の合宿だったねー。リエーフたしかあの頃にレギュラーになったんだよねー。』
「屋上で星みましたよねー!」
『そうそう。』
懐かしいなぁ。
『そういえばあの時、リエーフに俺が彦星だったら川泳いででも毎日会いに行きますよ?なんて言われたねー。』
「ちょっと!覚えてたんですか⁈」
リエーフは恥ずかしそうに顔を赤く染める。
『覚えてるよ?だって…』
すごく…すごく嬉しかったから。