第4章 月にいちどのおそろの日。
「おはようございまーす!」
朝練が終わった後、俺は毎日3年の教室に走る。
今日も、登校する3年生に混じり美優さんのいる3年5組のドアを開けた。
いつもの席を見ると机に突っ伏す美優さん。
『おはよ…リエーフ。』
くりくりの可愛い目はとろりとしていて明らかに眠そう。
そして、お腹に添えられた手。
これは『女の子の日』ってやつですね。
美優さんは軽すぎず、重すぎずってとこらしい。
数ヶ月に1回むちゃくちゃ腹や腰が痛いときがあるみたいでそんなときはこんな感じでだるーんってしてる。
俺はいつものように美優さんの前の席に座るとそっと頭を撫でた。
「美優さん大丈夫っすか?」
『んー…だいじょーぶ…あ、おべんと…』
そう小さな声で言うと美優さんはお弁当の入ったトートバッグに手をかけた。
「いつもの鞄ですよね?俺とりますよ?」
そう言って伸ばした俺の手と先に伸びていた美優さんの手にトンと触れた。
『あ、ごめん…』
眠そうな、ぽやんとした顔が俺を見る。
その顔がなんかエロくてほっぺにチューしたらほっぺを真っ赤にさせながらいつもより力の入らない手でぎゅーっと鼻をつままれた。