第16章 2人(?)ドタバタクリスマス!後編!
「なあ、灰羽。ゲーム、しようか。」
スマホから突然聞こえた”声”
それは電話の主である美優さんのものではなくて
でも、聞いたことのある声に
俺は名前を問うた。
【side灰羽】
「山岡…センセイ、ですよね?
何してるんですか。」
「正解。いや、会ったのは偶然だけどさ、なんとなく遊びたくなってな。」
そう言いながらくくっと笑う山岡センセイの後ろでは、慌てた美優さんの声。
「まあ、偶然じゃなきゃストーカーですよね…
で、ゲームってなんですか?」
そう聞く俺に、声硬いぞーなんて少しふざけた口調で話す山岡センセイはさて、と話を進め始めた。
「ルールは至極簡単。
この館内にいる美優を探す、それだけ。」
「…わかりました。」
移動しているのかざわざわと聞こえる人の声。
それと、戸惑う美優さんの声も聞こえる。
「じゃあ時間設定するか。
今2時半だから…
6時までってことで。」
「はい。ちなみに6時まで美優さん見つけられなかったらどうするんですか?」
くくっと笑う余裕ぶった声が憎らしい。
「じゃあ…
俺が美優もらうわ。」
「死んでも探し当てます。」
「高校生のお前に見つけられるかな。さて、始めるか。じゃあな。」
ぷつん、と切れる電話。
大体の見当をつけた俺の足はこの館内で有名なある場所に向かっていた。