第14章 2人(?)ドタバタクリスマス!前編!
『冬合宿のお手伝い…ですか?』
そう電話に問えば、ふぉっふぉっと言う笑い声がスマホを通して私の耳へと流れ込んだ。
突然来た猫又監督からのメッセージ。
”今週末、時間あるかい?”
今週末…といえば、音駒と梟谷の合同合宿があるはずだ。
そう、リエーフから聞いている。
だってクリスマスがだだ被りだからってリエーフ、ものすごく落ち込んでたもん。
”予定は、ないですが…
何か用事…ありますか?”
そう問えば、速攻かかってくる電話。
出れば週末の合宿での手伝いをお願いしたい…とのことだった。
詳しく話を聞けば、その日出勤してくれるはずだった食堂のおばちゃんの旦那さんが入院してしまったらしく、出勤が難しくなってしまったらしい。
それに加えクリスマスとかぶるおかげで他の方も出勤は難しいらしく、私に白羽の矢がたった…らしい。
「1泊2日4食分。準備してる食費が足りなければ儂が立て替えよう。
…嬢ちゃんにはついでに”お願い”もあるしの。」
”お願い”ね…
そんな回りくどい言い方しなくても…
『了解です。
猫又監督が好きそうな和菓子のレシピ、調べておきますね?』
そう、猫又監督のお願いはきっと手作り和菓子。
猫又監督にお願いされなくても3食+おやつは作る気でいたから別に改まって頼まなくても良かったのに。
とりあえず合宿の件はOK。
後ほど合宿に参加するメンバーの名簿をスマホに送っていただくことにして、私は電話を切った。
今回の合宿は音駒と梟谷の2校。
去年の梟谷グループ+烏野の合同合宿よりは人数が少ないので、3時のおやつは少し豪勢にしようかな?なんて考えたのであった。