第3章 チョロシコスキーと呼ばないで
お「へーっ、そんなどうでもいいこと占うヤツいんの〜?あっ、折角なんではい、握手!」
チ「何サラッと手握ってんの!?ちょ、もう、離れろっ!いいからっ!!…っ!?」
引き剥がそうとしても、おそ松はびくともしない。
チ(こ、これはもしや…にゃーちゃんの握手会の悪夢再来!?)
お「いやぁ、コイツいい奴なんで、一回だけ…」
チ「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れーっ!!!!」
お「…と言わずに、これからもデートしてやってください」
チ「なっ!!」
主「…こちらこそ、これからもよろしくお願いします!」
お「んじゃっ、おれはこれから競馬行くから。チョロ松、今度うちに連れてきてみんなに紹介しろよなっ」
チ「えっ!?あ、えーと…」
そう言い残し、おそ松兄さんは帰って行った。
チ(なんだよ…なんか…、調子狂うな…)
主「面白くていいお兄さんだね!」
チ「そ、そう?」
主「うん!弟思いのいいお兄ちゃんって感じ」
チ「いやいや、そんなことないって!…あ、もうこんな時間だ。そろそろ席に向かおうか!」
主「はーい!あれ、ポップコーン食べて待ってたの?」
チ「あっ、そうそう!主ちゃんにオレンジジュース買っておいたよ!ポップコーンはあいつが勝手につまみぐいして…え?」
オレンジジュースを手に取った時、僕は凍りついた。
コーラとポップコーンは全滅、オレンジジュースもほとんど飲み干されている。
チ(やっぱり…クズはクズでしか…ないっ!!)
チ「ゴメン…買ったんだけど…その…」
主「あははっ!綺麗になくなってるね!でも、買う時間ないからこのまま行こう?」
チ「うん…じ、じゃあ…」
僕は、彼女の手を握った。
チ「…はぐれないように、手…つ、繋ごうっ?」
心臓が飛び出しそうだ。
だけど…おそ松兄さんに、心の内を言い当てられたのがくやしくて。
主「…うん…」
変わりたいって、思ったんだ。
主ちゃんの小さな手を優しく包み込む。
チ(勇気を出して…よかった…)
映画を観ている時も、僕らの手は繋がったままだった。
・・・