第2章 恋の迷い子カラ松
カ「困っていた彼女を見かけて…オレが、勝手に探すのを…手伝っているだけだ……!」
そうだ…その通りだカラ松…。
始めから分かっていた。
片思いで構わない。
ただ少しでも一緒にいたかった。
力に…なりたかったんだ…。
主を見ると…。
カ「主!?なぜ…!?」
オレを見つめ悲しそうな顔をしていた。
主「あの…わたし…1人で探すから…」
立ち上がり襖に手をかける。
主「お邪魔…しましたっ!」
逃げるように主が部屋を出て行った。
カ「待ってくれ!主!!!」
ピシャリと襖が閉まる音が耳に残る。
カ(嫌われて…しまった?)
俺はただ呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。
・・・
お「チッ…」
ト「…カラ松兄さん…その…」
チ「僕たち…からかって騒いで…ご、ごめ」
お「あーあっ!クソつまんねー」
おそ松の声が部屋に響く。
ト「おそ松兄さん!やめろよ!」
チ「さすがに今回は僕たちが悪いよ!」
一松と十四松は無言でうつむいている。
お「…だって、あんな反応されたら、カラ松の事好きじゃないわけないじゃんっ!!」
カ、チ、一、十、ト「!?」
カ(な、なんだと…おそ松、お前今!?)
お「俺シラケちゃった。パチンコ行ってくるわー」
おそ松が襖を開けたまま出て行く。
チ「カラ松兄さん…」
ト「……」
十「追いかけないのー?」
カ「十四松…」
十「きっとまってるよー?」
十四松が落ちていた子猫の写真を渡してくれた。
カ「……ありがとう!ブラザー!!!」
ボロボロになった服も、ボサボサの髪も、直す暇なんてなかった。急いで家を出ようとすると、一松が玄関まで追いかけてきた。
一「待て…クソ松…」
カ「すまない、急いでるんだ。話なら後でいくらでも」
一「赤塚神社の…床下……」
カ「!?」
一「そこにいる…」
その一言で、オレは全てを理解した。