第12章 デート編 おまえら一体何なんだ!? トド松
チョロ松視点
居間に突如現れたホワイトボードにはこう書かれていた。
—第∞回松野家お兄ちゃん会議—
「みんな!今日は、夢も希望も仕事も無く、生きる意味すら忘れている中、よく集まってくれた」
「その前置き悲しくなるからやめてくれる?」
どうやらおそ松兄さんは何か企んでいるらしい。
ってか何だよお兄ちゃん会議って。
そんな会議一度も開いた覚えないんだけど。
「急に改まってどうした?話とはなんだ?」
「野球すんのー?」
カラ松は足を組んで手の形をした椅子に座り、その横で十四松はバランスボールにうつ伏せで乗っかっている。
トド松の姿は無く、僕と一松はちゃぶ台を囲んでホワイトボードとおそ松兄さんを眺めている。
「こうして四人に集まってもらったのは他でもない、ドライモンスターの奇行について話し合うためだ。奴は末っ子のくせにとんでもない事をしでかしてくれた。アイツは、兄である俺たちを差し置いてちゃっかり主ちゃんといい感じになり、あまつさえ交際までする始末!」
「なるほど…それは由々しき事態だね」
くそっ。死ぬほど羨ましくてツッコミを入れず同調してしまった。
トド松め…クイズ大会の告白が上手く行き、デートを重ね、晴れてゴールインしたという訳か!!
「フン、さっさと要件を言え」
「そう急かすなって。一松、例のアレを」
「…はい」
おそ松に促され一松がちゃぶ台に置いたソレを見て、三人は凍りついた。
「嘘だろ…」
「オーマイゴッド!」
「マジすか!?」
「事実だ」
狼狽える僕らを見て、諭すような声になるおそ松。
僕は現実を直視したくなくて、とりあえず否定から入る。
「いやいや、か、買うだけなら中学生だって出来るし…。使わなくたって…ねぇ?」
「タッティ!!」
「認めん!オレは認めんぞ!」
「おれは薄々気づいていたよ…。あいつは平気で人を裏切るんだ…。血を分けた兄弟ですらこのザマさ。恩を仇で返すとは正にこの事。血も涙も無い乾ききった心を持つあいつにとって、裏切りは挨拶代わりのようなもんなのさ…」
一松がおどろおどろしい声で、聞いてるこっちが泣きたくなるような発言をした。