第11章 デート編 十四松の夏
チョロ松視点
寝静まった部屋に"プーッ"と景気良く響く一松の屁。
僕は窓を開け、他のみんなは鼻をつまんで部屋の隅へ退避。
土下座をする四男に冷ややかな視線が向けられる。
「だからさ、普段何食ってんの!?人間の体内から出たとは思えない激臭なんだけど」
「…サーセン」
枕で扇いでおならを窓の外へ出す。
同じ釜の飯食ってんのに、なんでコイツだけこんなに臭いんだろう。
キャットフードでも食ってんのかよ。
窓を閉め布団に戻ると、みんなが十四松の周りに集まっている。
「なにしてんの?早く寝たいんだけど」
「ふふっ、見てよチョロ松兄さん。十四松兄さんあんな臭かったのに爆睡だよ〜」
「そーいえば、海行ったってワカメくっつけて帰ってきたよね。疲れてんのかな」
「幸せそうな寝顔しやがって。鼻つまんでやるぅ」
おそ松兄さんが十四松の顔めがけ手を伸ばした時、何かに気がついた。
「…プリクラの次は貝殻って。リア充街道まっしぐらかよ」
そう言うと、伸ばした手を戻し、背中を向けて寝転んだ。
気になって十四松の顔を見ると、首に小さな貝殻のペンダントを着けている。
(おそ松のヤツ、あの感じは拗ねてんな)
吹き出しそうになり思わず堪えると、良いタイミングでカラ松が口を開いた。
「フッ、貝殻…真夏の果実。きっと、灼熱の太陽の下、白い砂浜で愛をか」
「ふぁーあ、みんな寝るよー」
トド松の声を合図に、みんなのそのそと自分の枕へ戻って行く。
(ってかなんで十四松ってこんなにモテるの!?)
解けない謎を頭に張り巡らせていると、いつしか夢の中、にゃーちゃんとトト子ちゃんの水着姿に全力で土下座をしている僕がいた。
ニート達の裏模様 第6章、五男と性欲へつづく