第6章 見つかった闇
その頃、カラ松とは、
一時間ほど車を走らせ、
目的地のデパートに着いた。
デパートの駐車場でカラ松は、
「本当にデパートで良かったのか?」
と、に再確認していた。
『いいんです。
それに此処、大型デパートじゃないですか。
何でもありそうですし。』
は嬉しそうにそう言った。
「それじゃあ行こうか。」
カラ松の声を合図に、とカラ松は
車を降り、デパートの中へ入って行った。
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『広いですねー。』
「そうだな。
俺は正直、女性物は分からないんだ。
ここで待ってるから、好きに買って来るといい。
これ持って行ってくれ。」
カラ松は、クレジットカードと携帯電話をに渡した。
「言っておくが、くれぐれも遠慮はするなよ。」
クレジットカードを渡されて困り顔のに
カラ松は笑いながら言った。
『分かりました、行って来ます。』
「携帯には予め、俺達六つ子の番号が入っているから
何かあったら、すぐ掛けてくれ。」
『はい。』
そう言っては駆け足で去って行った。
「さて、俺も行くか。」
カラ松はデパートの案内を見て、宝石店へ向かった。
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いらっしゃいませ。と
宝石店の上品な声が出迎えてくれる。
カラ松は
「女性に贈りたい、指輪が欲しいのだが。
予算はいくらでもいい。」
と、店員に言った。
それを聞いた店員はケースの中から、
全てプラチナとダイヤで出来た指輪を、
何種類かカラ松に見せた。
どれもとても高価なのがカラ松にもわかる。
その中でふと目に付いたもの。
ペアリングになっていて、二つ重ねるとハート型にダイヤが見える、
カラ松は、それに決めた。
店員にそれを告げると、サイズが
14号と11号があります。と見せられた。
14号はカラ松の薬指にぴったりだった。
あとはに合えばいいのだがと思い、
カラ松は、カード一括でと支払いを済ませた。
すると店員が
「少々、お磨き致しますのでお待ち下さい。
終わりましたら、ケースにお包み致します。」
と、にこやかな顔で作業を始めた。