第29章 櫻井 ルーム 5
~ 櫻井side ~
俺としたことが 、また記念日を長引いた仕事ですっぽかしてしまった ...
二『 翔さんの家にいるから 』
もう 、約束の時間を2時間も過ぎている 。
メッセージの文面からは 怒りしか伝わってこない 。
かずはいつも 絵文字ばっかりなのに ...
『 ごめん!今すぐ帰るから!』
慌ててそう返信するも 、既読が付くだけで 返事は返って来なかった 。
急いで楽屋を飛び出し 、車に乗り込み 、家に向かった 。
「 はぁ ... 、絶対怒ってるよなぁ ... 」
そう 、俺は今回で3回 記念日をすっぽかしている 。
もうさすがにやばいよな ...
恐る恐る玄関の扉を開き 、リビングへ向かった 。
「 かず!ごめん!って あれ ... ? 」
電気は着いているものの 、かずの姿がない 。
ガチャリとリビングの扉が開き 、愛しい人の声がした 。
二「 あ 、翔さんおかえり~ 」
振り向くと 、俺の部屋着を着て 、タオルでわしゃわしゃと髪を拭くかず 。
「 あ ... 、風呂入ってたのか ... 」
二「 そ ♪ 」
かずには少し大きい俺の部屋着 。
こんな普通の光景にも 、疲れた心は すっかり癒されていく 。
テレビを着け 、ビールを持っていつもの場所へ座るかず 。
愛しくて 、思わず後ろから抱き締めた 。
二「 わ っ ... 」
「 かず ... 、ごめんね 、何回も何回も 記念日すっぽかしちゃって ... 」
二「 ふふ 、いんだよ 全然 。でも 、責任は取ってもらわないとね ... ? 」
「 ... え ? 」
とびきり妖しい笑みを浮かべて 振り向いたかず 。
そのまま強引に唇を奪われ 、後ろにバランスを崩してしまった 。
二「 3回分 ... 、いいよね ? 」
「 ん っ 、んん っ ... 」
再び唇が塞がれ 、隙間から侵入した舌が 俺の口内を暴れ回った 。