第58章 過去の時間(殺せんせーversion)
教える側として私に何か足りなかったのか?
……だがそんな疑問より今後の事だ
実験室の壁に寄りかかり考える
政治的配慮から私の存在は公にせず・・・この施設で人体実験の材料として処理するようだ。死刑台より千倍ラッキーだ。必ず脱出のチャンスはやってくる!!
「今回の実験は未知の変化だらけだと予想されるので……近い距離で目視する観察役が欲しいんです。だけど研究員が怖がってやりたがらない。もともとが恐ろしい殺し屋ですし、実験が進めば……強化アクリルの壁など平気で破れるようになるかも。最高機密ですから……おいそれと外部の人間も雇いにくい・頭脳明晰で口の固い人間でなくては。」
「・・・・・。OK。俺が1人手配する。従順でそこそこ優秀で死んでも誰も文句を言わないモルモットなら他にもいる。」
研究室の扉が開く
「わぁ意外。すっごい優しそうな人なんですね!!」
強化防弾アクリル板で区切られた研究室に一人女性が入ってくる。茅野の姉、E組の担任だった雪村あぐり……。