第55章 演劇会の時間
『桃です』
殺せんせーは桃の役でテーブルの上に顔だけだしている……。ばれないように……しないとね……。
「電波エコーで測定しました。これの中で……胎児が育っているようなの。」
リアルだな。桃太郎的な話にしては……。
『おじいさんの目の色が変わりました。瞬時にしてこの桃の価値を悟ったからです。』
「こりゃあすげぇ!!とんでもない珍品だぞ!!マスコミが飛びつかないわけがねぇ!!見せ物にすりゃ俺は一生大金持ちだ!!」
「離婚届です。」
モバイル律はナレーションをしている。
何か……似合ってるよ……律……。
『おばあさんは別れる事を迷っていました。ですが子供の人権を無視するようなおじいさんの非道な言葉「俺たち」ではなく「俺」という言葉おばあさんの心は今決まりました。』
『30年の結婚生活で2人の間に出来た溝は……まるで洗濯に行った川のよう。2人の空間の息苦しさは……山の柴を燃やして出たCO2のよう』
「……この桃は、俺のもんだ」
『夫婦の共有財産だ。どう分けるかは世帯主の俺が決める……』
「弁護士です。」
「奥様の代理人を務めます。以後の話は我々を通して頂くように。」
片岡さん……似合ってる……。イケメグだ!!