第49章 渚の時間(2)
「この子はまだ何にもわかってないんです。失敗を経験している親が道を造ってやるのは当然でしょう」
「母さん・・・僕は・・・」
「渚は、少し黙ってましょうね」
「……」
「なぜ、渚君が……今の彼になったのかを理解しました」
殺せんせーはカツラをとった……。
「「!? ヅ・・・」」
何を……してんだ?殺せんせー……
「そう、私、烏間惟臣は……ヅラなんです!!……お母さん 髪型も、高校も、大学も、親が決めるものじゃない。渚君、本人が決めるものです。渚君の人生は渚君のものだ。貴女のコンプレックスを隠すための道具じゃない。」
「この際ですから担任としてはっきり言います。渚君自身が望まぬ限り・・・E組から出る事は認めません」
その瞬間……母さんは怒鳴りだした……
先生でも、駄目だったのか……。