第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
一方ーーー
「この階、やけに見張りが多くない?」
「何かあるのかもね。みんな慎重に」
囚われていた部屋から抜け出した片岡、倉橋、千葉、寺坂、菅谷、杉野、竹林、原、狭間、中村は見張りの目を盗みながら移動をしていた。
片岡たちのいた部屋はエレベーターホールに近い場所だったお陰か、ココが病院であることと今居る階の見取り図が掲示されていた。
それによると、今居る場所は東館13階。
コの字型になったこの棟を降りるには丁度真ん中に位置している現在地………エレベーターを利用するか、コの字の両端にある非常階段を使うしかなかった。
エレベーターはリスクが大きい為、階段を降りることを決断すると初めは現在地から南方にある非常階段を降りた。
幸いにもこの階には見張りが居なかった様だ。
そのまま一気に降りようとしたところで足音に気付き12階のエレベーターホールまで隠れながら移動した。次は北側へ。
北側の階段1階分降りることは成功したが、やはり見張りが立っておりそのまま降りることは出来なかった。
ーーーどうやら南北で1階ずつ交互に見張りが居るようだ。
取り敢えず先程と同じようにエレベーターホールへ向かおうとしたところで、近くに合ったナースステーションに隠れていた。
「やっぱりここに何かあるのかも」
「急に敵が増えたよね」
片岡と中村が小声で話す。
コツコツコツと響く足音。
息を潜めて武装した男が通り過ぎるのを待った。
しかし、見張りの1人がナースステーションに入ってきたのだ。
「「「!?」」」
全員に緊張が走った。
必死に息を潜めてやり過ごす。
……カタン。
しまった!と全員が身構える物音。
が、
いくら待っても「誰だ!?」という反応が無い。
「……?」
片岡と中村は顔を見合わせてコクンと頷き合うとソロッと机から顔を出した。
「「「!?」」」
他の皆も同じ事を考えていたようだ。そろりと顔を覗かせて、驚いていた。
そこにいたのはガタイの良い男と、全身真っ黒な男だった。
しかし、ガタイの良い男は黒の男から伸びた「黒い何か」に全身が締め上げられ、少し浮いている。
コホコホッ
口に手を当てて渇いた咳を数回した男は、もがいていた男が意識を放棄したことを確認すると男を解放した。
「……。」
そして自身を見つめていた連中ーー
片岡たちをぐるりと見渡した。
