第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
降ってきたものに対して全員がビクッとなったが、よく見れば人間だった。
赤い着物を纏った自分達と同じ位の少女。
「……。」
「「「「……。」」」」
無言でお互い見つめ合う。
そうこうしているとザッというノイズが僅かに鳴った。
『鏡花ちゃん。爆弾はあった?』
「此処には見当たらない。でも人は見付けた」
『人?』
「「「「!?」」」」
突然話し出した少女に驚く。
無理もない。絶たれている筈の通信手段を少女が使用しているからだ。
磯貝が声を掛けようとしたその時だった。
『鏡花ちゃんー聴こえるー?』
「アリスちゃん?」
「「「「アリス!?」」」」
「!」
見知った名前が出てきた事に大きく反応を示した渚たちに、今度は鏡花が僅かに驚く。
『あ。矢っ張り××病院に連れてかれたのか』
「アリスちゃんの知り合い?」
『その子達が椚ヶ丘中学の子達だよ』
「そうなんだ」
アリスの名前を出した途端、耳に嵌めている通信機からアリスの声が渚たちにも聴こえるようになった。
しかし、直に嵌めている鏡花は音量に関して何も反応しない事を見るにアリスが何かしてるんだなということだけは理解する。
『今そっちに向かってるんだけどギリギリってところなんだよね』
「此方は未だ凡ての爆弾を見付けきれてない」
『そっか。今鏡花ちゃんの所に何人居る?』
「8人」
『カルマ。試験に参加してた人数は?』
『律と俺を除いて26人』
「あと18人居るんだね」
『そう。爆弾よりもその子達の命を優先して』
「判った」
コクッと頷いたと共にザッとノイズが入り、別の声が響く。
『敦君も云いかい?』
『判ったか?芥川』
『はい』
『承知』
此処まで音を発していた通信機は、このやり取りを最後に、鏡花以外に音を伝えなくなった。
暫く言葉を交わした後、鏡花はくるりと全員を見た。
「取り敢えず部屋を調べる」
「部屋?」
何人かがその発言を疑問で返した。
「仕掛け爆弾を探してる」
「「「爆弾!?」」」
全員がぎょっとし、大声を発してしまった。
それがいけなかった。
バンッ!
男が1人、銃を構えて入ってきたのだ。
「餓鬼ども……今なんて言った?」
知る筈の無い事を言ってしまったのだと後悔するには遅かった。