第19章 異世界コラボ~暗殺教室編~
「元々、上でも話が出来上がっていたようだし断る理由も無い」
そう云うと烏間と国木田が握手を交わす。
「おや?太宰さん?如何かしました?」
「いや、大したことありませんよ」
「「?」」
殺せんせーが太宰の顔が曇ったことに気付いて声を掛ける。
「しかし、そうなると貴方がたのどちらかが此処に来ると言うことになりますよね?」
「あ――………そのことなんですが」
「「?」」
国木田が太宰をチラリと見る。
「国木田君、数学の先生だったんだから国木田君がこればいいじゃん」
「五月蠅い」
ブーブー云う太宰を拈り上げて烏間の方を見る。
「今回の件で狙われるのは恐らく『生徒達』ということで学生に紛れられる者を派遣しようと思っているのですが」
「生徒として……ですか」
殺せんせーは笑顔のままだが、少し驚いているようだ。
「学園には既に話を通しています。で、その条件に叶ったのが一人しか居なかったのですが……」
「?何か問題でも……?」
烏間が眉間にシワを寄せる。
「如何せん、学生と云うものを全くしたことの無い者が来るので少々心配で………というか性格に難が」
「国木田君…そんな風に思っていたのかい?」
「当たり前だ。気が向かないと貴様に似て、ひねた考えをするだろう」
「其処が可愛いのに」
「ええい!鬱陶しい!社長が決めたことだ!いい加減諦めろ!」
「えー!だって中3だから賢治くんでも鏡花ちゃんでも、あ!敦くんでも良いじゃないか!なのに何で!」
「『学力』が条件だったから仕方無いって何度も云っているだろう!」
「「………。」」
ギャーギャー云っている探偵社2人組のやり取りを黙って見ている烏間と殺せんせー。
2人の言い争いは暫く続いた。
「では明後日から来るんですね」
「はい。明日、二学期の中間テストを理事長室で受ける予定になってます」
「にゅや!?授業も聞かずに此処のテストを!?」
「編入試験の代わりだそうです。まあしかし、訳ありということもあり過去問を頂きまして」
「あの理事長が……それで条件と云うのは?」
「最低でも全教科70点採れるような者を、と。今年度は今までの比でない程に難易度が上がってるとまで付け加えられました」
「理事長らしいですねぇ」