第18章 異世界コラボ~銀魂編~
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アリス達が屯所に戻ってきた時には昼を過ぎていた。
アリスの読み通り、
仲間の解放を求めた連中が奇襲を仕掛けてきたようだった。
所々、破壊された屯所を横目に敦達は与えられた部屋に戻った。何時の間にかアリスも眠っている。疲れたのだろう。
アリスは太宰の傍でしか寝ない事を敦は知っていた。
以前、与謝野が触れようとしただけで目を覚ましたと聞いたことがある。
アリスちゃんが僕の前で眠るなんて……よっぽど疲れてるんだろうな……。それとも、漸く探偵者の皆には慣れたのかな……?
後者なら嬉しいが。
取り合えずアリスに掛布団を掛けて
敦は修理に、業務に、追われている人達の手伝いに戻ったのだった。
「何で俺が屋根修理なんざしなきゃなんねーんだよ!!」
「つべこべ云うな。報酬は払うって言ってんだろ」
煙草を吸いながら銀時と言い争っている土方。
敦もヒョイっと屋根に登って手伝うことにした。
慌ただしく時間が過ぎ、落ち着きを取り戻す頃には既に辺りは暗くなっていた――。
「クリスマスイブイブを祝うぞー!!」
「「「おーーーー!!」」」
大広間で男達が騒ぎ始める。宴会が始まったのだ。
「クリスマスイブイブって……」
「騒ぐ口実なんて必要あるのかな?……大人って良くわかんないや」
勿論、アリスと敦も。
「オイ、神楽!タダ飯だ!しっかり食い溜めしとけよ!!」
「合点承知ネ!!」
銀時と神楽も参加していた。
飲んで、食べて、騒いで。
宴会は夜遅くまで続いた―――。
縁側で空を見上げているアリス。
「寒くないアルか?」
「平気だよ」
其処に神楽がやって来たのだ。
「銀ちゃん達が云ってたヨ。アリス、ごっさ強かったって」
「あはは。私は異能力者だから力無い者よりは絶対に強いよ。でも決して実力じゃない」
「アリスも力と戦ってるノ?」
「……どうだろう。良く判んないや」
神楽の質問に苦笑する。
「私の『力』は暴走したりしない。するのは何時でも私自身」
「…私自身…アルか」
「私は弱い。誰かを恨まなきゃ自分を保てないくらいに」
「………。」
「頭では解ってるんだけどね。行動は中々伴わなくって何っ時も迷惑掛けてばかりなんだ」