第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「私の異能力『ワンダーランド』は存在するのに見えないもの、見えるのに実体がないものを自在に操る事が出来るんだよ」
「「……へぇ………」」
取り合えず相槌を打つ二人。
あ、よく解らなかったんだろうな。
敦は心で思いこそすれど口には出さなかった。
「却説と。総くんを追い掛けよう。もう終わってるかもしれないけど」
「お、おう」
「い、急ぐぞー」
アリスが切り出すと2人がぎこちなく同意して続いた。
―――
次の階へ辿り着いた4人が見た光景は―――
「ちゃんと仕事しろヨ!この税金泥棒!!」
「ハッ!テメーは1円たりとも納めてねーだろーが!!」
「「「「…………。」」」」
激しくぶつかり合う2人。
何時もの光景だった。
あんなに偉そうにしていたリーダー格の男は血を流しながら壁にめり込んでいた。
「………何だろう。銀さん、良く判んないけど虚しさが込み上げてきたんですけど」
「………偶然だな。俺もだ」
此方の心配などお構いなしに争っている2人に頭を抱える保護者組。
「大事に至らなくて良かったねー」
「いや、早く止めないと二人とも結構な怪我をしてますよ!?」
のんびりした口調で云うアリスに、冷静にツッコミを入れる敦。
リーダー格の男を片付けたのは間違いないだろうが、2人も苦戦したのは間違いないようであった。
「オイ、神楽その辺に…――」
「総悟、いい加減にし…――」
保護者が声をかけた瞬間に
ドサリッ
「「!」」
同時に倒れた――。
「大丈夫ですか!?」
敦が慌てて2人の元へ駆け寄る。
スー……スー……
「え……寝てる……?」
直ぐに保護者2人組が溜め息を付きながら其々を担ぐ。
「まあ何時もよりは大人しい方だったな」
「ああ……破壊も少なく済んだな」
「此れで何時も通りなんですね………」
「良かったね、神楽ちゃん」
「え?」
はははっ…と渇いた笑い混じりで呟く敦と笑顔のアリス。
「何でもないよ。それよりも」
「うん?」
アリスは壁にめり込んでいる男に近づいていく。敦もその後を追う。
何かを探すように男を眺め、
目的のもの……手に握っているネックレスを奪い取る。