第18章 異世界コラボ~銀魂編~
「ちっ……違うアルよ!!何でそんな勘違いするアルか!?」
しかし、想像通りだったのだろう。
アリスはクスクス笑って手紙を書き始めた。
「……。」
それを見て、ストンと座る神楽。
「……アリスの恋人はどんな人アルか?」
「んー……性格は善くないかな」
「……何でそんな人好きになったネ」
「うーん……判んない」
「え?」
神楽の方を見ることなく手を動かすアリス。
「神楽ちゃんが想像する恋人がどんなものか判らないけど『恋人』って案外簡単になれるものなんだよ」
「……イマイチ意味がワカンナイ」
一通り書き終えたのか。
アリスは手を止めてペンを置いた。
「私に至っては取引で恋人になってたから。その事も2年程忘れてたけど」
「えぇ!?好きでもないのに恋人だったアルか!?」
「あははーそうなるね」
アリスはダンボールから蜜柑を1つ取って食べ始める。
「要は適当な理由で『恋人』になることは出来るってことだよ。恋人という括りに収まってみないと判んないことだらけってだけで。だから他人から見たらとてつもなく変人でも、恋人から見れば違うように見えてるのかもしれない」
「……?」
首を傾げてアリスをジッと見ている。
「治兄は目的のためなら手段を問わないくらい性格は善くない。でも同じくらい性格が悪い私を肯定も否定もせずに受け入れてくれる」
「治兄?」
「私の恋人の名前。太宰治って云うの」
「お兄さんってことは歳上アルか?」
「うん。5歳くらい離れてる」
「……5歳」
ポツリと言ったその言葉は、自分と重ねたからだろうか。
アリスはニッコリ笑って神楽を見ている。
「甘ったるい関係だけが恋人じゃないよ」
「……。」
妙に響いた言葉。
神楽も何か考えているようだ。
そして
「…私は夜兎アル」
ポツリと口を開いた。
「うん。聞いたよ」
「この血は危険アル……次々に殺戮を求めてしまう……制御……出来ないかもしれないネ」
「ふーん」
アリスは蜜柑を食べる手を止めない。
「詰まらなそうな返事アルな」
「まあ。私からしたら大した事じゃない話だったから」
「アリスには判んないよ!次々に血を求めて暴れそうになる私の事なんか!」
神楽が立ち上がる。