第18章 異世界コラボ~銀魂編~
やや間を開けて動き出す太宰と新八。
「何で一緒に行かなかったんですか?」
「ああ。私も異能の持ち主でね。私は凡ての異能を無効化する反異能力者なのだよ」
「……えっと?」
「谷崎君の『細雪』で隠れられないと云うことだよ」
既に開いた扉の中に入り、進んでいく。
中では既に乱闘が始まった声や音が響いていた。
「此方に行かないんですか?」
音のする方を新八が指す。
「行かないよ。此方で騒動が起きたから人質の方が危ない」
「!」
太宰は迷わずに進んでいった。
「あ、丁度良い。新八君」
道中、鉄パイプを拾って進んでいく。
そして、進んだ先に現れた扉を開けた。
「ちぃ!誰かに見付かったらしいぞ」
「コイツ等だけでも犯して薬漬けにしておきましょうや」
「「!?」」
気持ち悪い笑顔を浮かべ、怪しい薬を取り出して目の前の女性二人組に近寄る。
「1発きめておくだけで忘れられないでしょうからね」
「そうだな」
「んっー!」
拘束されながらも必死に抵抗する女。
その隣に居る学生服の娘が拘束された脚で蹴りを入れる。
「って!この糞アマ!!」
振り上げた手。
それを見て目を固く閉じる。
ドサッ
「「……?」」
何時まで経っても来ない衝撃に二人は恐る恐る目を開けた。
「全く。女性に乱暴なんて男の風上にも置けないねぇー」
「「!」」
太宰と新八が一人ずつのしていたのだ。
話せないように嵌められていた猿轡を外してやり、懐から取り出したナイフで拘束された縄を切り落とす。
「太宰さん!」
「もう大丈夫だよ」
ニッコリ笑って云う太宰。
「ナオミ!無事かい!?」
「兄様!」
向こうの連中を片付け終わった谷崎と国木田も駆け付ける。
盛大に抱き合う谷崎兄妹。
「お妙さん、立てるかい?」
そっと手を差し伸べる。
その手に手を重ねて、ゆっくり立ち上がるお妙。
そんな妙の顔にそっと掌を添えた。
「怖い思いをさせたね」
「太宰さ……!」
お妙が太宰に思わず抱き着く。
「……。」
太宰も一瞬戸惑ったが、直ぐに笑って、そっと頭を撫でてやった。
通報していたのか警察が駆け付ける。
事後の処理を国木田に任せて、5人は先に帰宅したのであった―――。