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【文スト】不思議の国の異能少女

第9章 パラサイト


「起きたかい?アリス」

「ん。」

「ゴメンアリスちゃん。起こしちゃって。」

「?起こしたの??」

「大声が原因じゃないのか。」

国木田と谷崎が安堵の息を漏らす。

「却説、私達も帰ろうか。」


太宰がアリスに告げると、寝ぼけ眼がパチッと開く。

「………治兄、報告書は?」

「アリスの寝ていた間に済ませたよ。ね、国木田君。」

「嗚呼。珍しく真面目に書いていたな。」

「………他に仕事ないの?」

「無いよ。ね、国木田君。」

「嗚呼。珍しく真面目に仕事したからな。」

「?如何したの?アリスちゃん。何か顔色が悪い様な……。」

汗をダラダラ書きながら質問するアリス。

それに、悉く予想を反した答えが帰ってきて落ち込んでいる。

谷崎が異変に気付き声を掛けると、ギギギッと壊れた人形のように首を動かし谷崎の方を見るアリス。

「潤兄……助けて……ッ」

「おや?私以外の男に助けを求めるなんて。未だ判ってない様だね?」

ビクッと肩が上がるほどに反応するアリス。

昼間と同じ様に完全に太宰に対して怯えている。

その反応に満足そうに笑ってアリスごと立ち上がる。

「さぁ。帰ろうっと。じゃ、お疲れ様ー。」

「お…お疲れ様です。」

上機嫌な太宰と、今にも泣き出しそうなアリスを不思議そうに見送った国木田と谷崎。


パタンと扉が閉まった後に、国木田に話しかける谷崎。

「大丈夫ですかね、アリスちゃん泣きそうでしたが。」

「………夫婦喧嘩は犬も喰わんからな。」

「………そうッすね。」


国木田の言葉に納得して2人も帰り支度を始めた。
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