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【文スト】不思議の国の異能少女

第2章 夢主


「アリス、誕生日おめでとう。」
「来年はいよいよ小学生ね。早いわ。」

パパとママが笑顔で私におめでとうって言ってくれる。
テーブルの上にはホールケーキと私が大好きなおかずがずらり。

「すっごい!イチゴがいっぱい!」

「ほら、蝋燭を吹き消して。」

「うん!」
目の前にある大好きなイチゴタルに向かって息を吹き掛ける。

「ほらアリス、プレゼントだよ。」

「わぁ!開けていい?!」

「勿論だよ。」
パパが可愛い袋をくれる。

何が入ってるのかな?気になって直ぐに袋を開ける。

「可愛いウサギさん!有難う!パパ、ママ!」

「良かったわね、アリス。さぁ、冷めないうちにご飯食べましょ?」

「うん!いただきまーす!」
幸せ。大好きな食べ物に、大好きなウサギのプレゼント。それを私にくれる大好きなパパとママ。

「最期くらいは盛大にね。」
「そうだな。」

「?」

「何でもないよ、さぁ食べよう。」

そう呟いた2人の言葉の意味を、あの当時の私は知る由も無かった。

―――

「いいかい?アリス。知識を増やすんだ。知識は必ず武器になる。」

私のお世話係の××は私に言った。
××も私と一緒で此処に連れてこられたらしい。其れまでは普通のこーこーせーをしていたって言ってた。

真っ白な壁に真っ白な天井。
そして壁には4つの扉。

1つは外に通じる扉。
私が入ってきた扉だから開けてみる必要も、無い。

その他の扉は開けてみる。

分厚い本がいっぱいある部屋と、トイレ。そして、お風呂場。

他にあるのは××を合わせて6人の子供。

勿論、皆、私よりも早くに連れてこられたらしい。

「おべんきょー?」

そう言うと、××は首を横に振る。

「其れもあるけど、アリス。先刻も言ったけど、君が此処に連れてこられた理由は、君が異能力者だからだ。」

「いのーりょくしゃ…。」
聞いたこと無い言葉の筈だったのに、ココに来てからよく聞く言葉。

「自分の異能力を知るんだ、アリス。君は未だ力の事も、その制御の仕方も何も判っていない。」

其の通りだと思う。
あんな事が出来るなんて私は知らなかった。

俯いてスカートの裾をぎゅっと握る。
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